日帰り登山用に軽量バックパックを選ぶ

背景

デイハイク向けのバックパックが欲しい。これまで使ってきたのはGREGORYのデイアンドハーフパック。学生の頃に買ったもので思い出が詰まっており、捨てるに捨てきれずこれまで使い続けてきた。少し前まで登山といえば遠方ばかり。日帰り登山の道具にはそれほどこだわりがなかった。

ところが最近は子育てがあるので日帰りのライトなハイキングが増えきた。こうなると日帰りに特化してバックパックをしっかり選んでみたくなる。一度情報を整理することにした。(こういうのは考えてる時が一番楽しかったりもする。)

条件

- サイズは20 ~ 25L

現在使っているデイアンドハーフパック33L。日帰りハイキングには大きすぎる。中で荷物が暴れて歩き心地が良くない。バックパックに張りがないため、見た目もダラっとしてしまう。20〜25L くらいにしたい。ピシッと張りのあるパッキングにしたい。

- 背中に近く、上の方に重心

現在使っているデイアンドハーフパックは重心のバランスが悪い。一番の不満点。後ろに引っ張られる感じ。重心を上の方に持ってきたい。そして体に近づけたい。バックパックの基本だ。

- 目的に応じた収納

現在使っているデイアンドハーフパックは外にポケットがない。行動食や地図はその都度ガサゴソと中身を漁って取り出す必要がある。役割に応じて収納箇所を分散させたい。

まず大きめのフロントポケット。地図や行動食を入れたい。素早く取り出して、雑に入れたい。簡単にアクセスできる必要がある。あと中身が見える仕様が良い。

次にサイドポケット。500mlペットボトルやトレッキングングポールを入れたい。背負ったままでも前をノールックでアクセスできる位置。

- 軽重量

重量にも拘りたい。軽さは正義。700g以下を条件に設定。
追記:後から考えればこれは重要ではなかった。日帰りハイキングの荷物の重量なんてたかが知れてる。多少重くても良いから、形が整ってて持ちやすかったり、ポケットの仕様がリッチな方がありがたい。

候補

候補① : Minimalist 24 Daypack - Gossamer Gear

Gossamer Gearはアメリカのロングトレイル向けのバックパックブランド。元は創業者が息子のために作ったバックパックが始まりだったらしい。

とにかくライトなものを求めるならこのMinimalist24はアリな気がする。軽くてカジュアルなだけではなく、大容量のフロントポケットやポールの収納も考えられたサイドポケットなど、今回求める条件もしっかり満たしている。素晴らしい。ショルダーハーネスがいかにも頼りなさそうなのはまあ仕方ないか。

Image from Gyazo

Image from Gyazo


候補② : Kumo 36 Superlight Backpack - Gossamer Gear

Gossamer Gearが日本のハイキング環境向けに打ち出したモデル。取り出し可能な背面パッドやショルダーのメッシュポケットなど、ギミックが多くてとにかくワクワクしてしまった。すんぐりむっくりしてて決してスタイリッシュではないのに、「合理性を追求するとこうなりました」みたいな経緯が見えて逆にそそられる。サイズが36Lと大きめなので今回はナシか。ざんねん。

Image from Gyazo

Image from Gyazo


候補③ : 山と道 MINI

大人気で常に品薄のULバックパック。重量は驚きの300g台。京都にある直営店、山色音 で試させてもらった。

このバックパック、背中のかなり上の方で持つことが推奨されており、スタッフの方に「ここです」と指定された位置には驚いた。肩甲骨の「張り」で持つような感じだ。確かに背中の張りで肩にかかる重量が軽減され、肩に痛みは起きなさそうな気がする。腰荷重に慣れ親しんだ自分にはとても新鮮な持ち心地だ。重心が上にある分下半身がスカスカして自由に動く。これなら岩場や急勾配のスイッチバックも楽に動けそう。

Image from Gyazo


候補④ : OMM Classic 25 / 32

OMMはイギリスの山岳レースOriginal Mountain Marathonの主催元によるブランド。Classic25はそのレースに向けて作られた定番バックパック。20年近く仕様がほとんど変わっていないようだ。この記事を読んで驚いた。収納や重心の面でまさに自分が求める条件にぴったりだ。25Lと32Lの2種があるが、今回の条件に合いそうなのは25Lか。

Image from Gyazo

写真 : Original Mountain Marathon

最終的に購入したのはOMM Classic25

これがサイズ・機能的に最も条件に最も合っていた。実際に店舗で背負った際のフィット感がとても好印象だった。背中に吸い付くようだった。

山と道MINIも良くて迷った。2つの理由でClassic25を選んだ。1つはヒップベルトの存在。自分は痩せ気味で撫で肩のため、MINIの背中で持つスタイルにマッチするか心配だった。とても肩が凝りやすいので、腰荷重のの無難さを選択してしまった。

もう一つはデザイン。MINIはカッコ良すぎる。一旦使い始めるとスタイルが固定してしまいそうで怖かった。どんな風に使っても違和感のない「余白」みたいなものを持っておきたかった。

それにしてもどのバックパックも素晴らしい。製作者自身の経験による工夫が細部にまで凝らされている。それぞのれコンセプトやブログを読むと、こだわりや哲学が伝わってきて楽しい。