John Muir Trail 補給
食料の補給、これが最も悩んだ問題だった。26日分もの食料は持ち歩けないため事前にトレイル上の数カ所に分割して送付しておく必要があるのだ。実際にトレイルを歩くときには4~6日分くらいの食料だけを持ち歩き、日本から送った食料を補給ポイントで拾いながら進むことになる。
補給を何回設定するか
補給の回数はできれば少なくしたい。とても手間がかかるからだ。荷物を受け取るにはトレイルから大きく外れて郵便局のある麓まで下る必要があるし、週末や祝日には閉まっていることもある。何かの問題で荷物が届かないだってあり得る。補給の回数が少なければこういうリスクはさけられる。ところが補給の回数が少ないと、今度は持ち歩く荷物の量が増えてしまうという問題が出てくる。
予定では1日あたりの食料の重量は500g近くにもなる。補給の回数によっては2~3kgの重量差が出てくるだろう。さらに、食料の量が増えるとベアキャニスターに収まらなくなってしまう。(トレイル上ではクマが出没するため、ベアキャニスターと呼ばれる筒状の丈夫なケースに全ての食料を収納する事が義務づけられている。)ベアキャニスターは重い割にそれほど容量は小さい。一度の補給量がこのベアキャニスターに全て収まる程度には分割する必要があるということだ。
考えた結果、補給ポイントは4カ所。 受け取りはめんどくさいし準備の手間もかかるけど、日本でできることは日本でやってしまいたかった。現地で何が起こるか分からないので。
食料を梱包する
amazonやアウトドアショップで買った1ヶ月分の大量が家に届き、計画実行の現実味が湧いてきた。こいつらをアメリカに送るために梱包しなければならない。スペース確保のため、フリーズドライフードは全て中身を出し、ジップロックにまとめた。ミックスナッツやミューズリーの重さを計りながら分ける作業はなかなか大変で、妻の手を借りてやっと終えることができた。上の写真は1回の補給分の食料を広げたもの。下の写真は全ての梱包を終えた後。宛先のResupplyのスペルを間違っている。かっこ悪い。
食料を送付する
梱包した食料は全て郵便局からEMSで送った。現地の補給ポイントによってはUSPS限定のような条件がつけられているが、とりあえず日本からは郵便で送ってしまえば無事に着いた。料金は重さによって異なる。今回は1箱4~5000円くらい。わざわざ郵便局まで持って行ったが、無料で集荷してくれるサービスがあるらしい。
実際に使った補給ポイント
①Tuolumne Medow Post Office トゥオルミーメドウの売店に併設してある小さな郵便局。キャンプ場からも近いので休みの日さえ気をつければ受け取りは容易。受け取り時には荷物整理をする場所や不要になった段ボールの処理などについての注意書きを渡されるのでチェックする。
②Mammoth Lake Post Office マンモスレイクにあるキレイな郵便局。受け取り時には名前を告げればすぐに持ってきてくれる。とてもフレンドリー。郵便局の向かいにあるアウトドアショップでは何でもそろう。
⑤Muir Tail Runch 通称MTR。トレイルから1マイルほど外れた場所にある牧場。倉庫で物資を預かってくれる。アクセスしやすいので多くのハイカーがここを利用する。そのため受け取り場は荷物の整理をするハイカーで賑わっていた。ハイカーズボックスにもたくさんの品が溢れている。近くに温泉がある。
⑥Sequoia Kings Pack Trains トレイルを外れてキアサージパスを超え、登山口まで下ったオニオンバレーにあるステーション。ただの小さな小屋で、開いている時間も曖昧。2014年の利用時には管理人が馬の調達だとかで不在にしており、翌日の朝に受け取ることができた。(朝もなかなか開かないので、ステーションの横にある居住施設を訪ねたら管理人が起きてきた)キャンプ場はあるが、バックパッカーズキャンプグランドは無く、有料のオートキャンプサイトのみ。2014年はオーナーの好意で無料で滞在させてもらった。
歩き終わってみて
結果的に補給回数は多すぎた。現地で買えるものは買い、手間のかかる補給ポイントには行かない方がいい。特にオニオンバレーのセコイアキングスパックトレインはオススメしない。今計画を立てるとしたら、マンモスレイクとミューアトレイルランチの2カ所に絞るだろう。 ただ現地で旅塵にまみれた体で補給物資の箱を開き、真新しい梱包の食料が目に入った時の安心感と嬉しさは格別だった。補給を受け取った夜は贅沢なメニューにして祝ってたしね。
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